
1973年に基本計画へ位置付けられた四国新幹線は、半世紀以上にわたり具体的な整備が進んでいませんでした。しかし2026年度、国土交通省が輸送需要や駅の位置、規模、ルートなどを調べるケーススタディに初めて予算を計上し、計画が再び動き始めました。
これまで徳島県が支持していた淡路島ルートが2023年に撤回され、現在は岡山から瀬戸大橋を通り、四国4県の県庁所在地を結ぶ「岡山ルート」が有力になっています。このルートでは、松山から新大阪まで約98分となり、現在より大幅な時間短縮が期待されています。
建設費を抑えるため、全線を複線にするのではなく、約302kmのうち大部分を単線とする「単線方式」が提案されています。この方法なら、事業費を従来の約4.75兆円から約1兆円規模まで抑えられ、費用対効果も改善するとされています。
2026年には国が本格的な調査を開始し、2027年3月までに需要や駅、ルートなどを検討する予定です。ただし、今回の調査は着工決定ではなく、四国新幹線の必要性や事業規模、財源などを改めて検討する第一歩です。
一方、人口減少や人手不足、エネルギー価格の高騰により、JR四国の経営基盤を強化することも大きな課題です。新幹線を整備するには、並行在来線の維持や地域の負担についても解決する必要があります。
今後は、新幹線を単なる採算事業としてではなく、防災・減災、脱炭素、地域経済の活性化などに役立つ社会基盤として捉え、建設費や財源をどう確保するかが重要になります。今回のケーススタディは、50年前の計画を現在の状況に合わせて見直し、四国新幹線の実現可能性を検討する重要な段階です。




