
高松市のJR鬼無駅前に、香川県が約1億円をかけて整備した新しい公衆トイレが2026年3月に完成しました。従来のトイレは男女共用の和式くみ取り式で、利用者や地域住民から長年改修が求められていましたが、JR四国は無人駅のトイレを改修しない方針でした。
鬼無駅は県立高松西高校の最寄り駅であり、盆栽観光で外国人も訪れることから、香川県が整備を決定しました。また、地元選出の国会議員や県議会議員による要望も事業実現の後押しとなりました。
完成したトイレには、桃太郎伝説を題材にした壁画やデジタルアート、プロジェクションマッピングが導入され、「アートな光るトイレ」として観光資源化も目指しています。利用者からは好意的な声がある一方、「費用が高すぎる」「観光効果が不透明」といった疑問の声も上がっています。
総事業費約1億円のうち、トイレ本体や設備整備に約7200万円、壁画やデジタルアート、広報などに約2800万円が使われました。特に映像投影設備には約2200万円が投入されています。
また、「未来の芸術家育成」を掲げた事業では、デジタルアート作品の公募で受賞者が出なかったため、プロの制作会社に約200万円で制作を委託しました。一方で、専門学校の学生による作品制作は無償で行われ、専門家からは「若者の無償労働ではないか」との指摘も出ています。
香川県はこの事業をモデルケースと位置付けていますが、JR四国や高松市は同様の駅トイレ整備を広げる方針を示していません。県は今後も若者を対象にデジタルアート作品を公募し、運営を続ける予定です。



