和歌山港線の廃止予定はあるのか
南海電気鉄道は2026年3月30日(月)に発表を行いました。傘下の南海フェリーから2028年3月末を目途に撤退する方針です。そのため、フェリー接続に特化した和歌山港線の存廃に大きな関心が寄せられています。
しかし、南海電鉄広報は現時点で廃止の予定はないと説明しています。実際に、今後も地域の交通ニーズに応じて運行を継続する構えです。ただし、和歌山港線には途中駅がありません。現在は和歌山市駅から和歌山港駅までの2.8kmを結ぶ2駅のみの路線です。利用者の多くがフェリー乗換客であるため、航路の行方が路線の今後に直結しています。
和歌山港線の線路はなぜ和歌山県が所有しているのか
実は、和歌山港線の線路は全区間が南海電鉄の所有ではありません。全線2.8kmのうち、和歌山港側の2.0kmは和歌山県が施設を保有しています。つまり、和歌山県が第三種鉄道事業者となっています。一方で、南海電鉄は線路を借りて列車を走らせる第二種鉄道事業者です。加えて、残る和歌山市駅から県社分界点までの0.8kmのみが南海電鉄の所有区間です。
| 区間 | 営業キロ | 線路の保有者 | 列車の運行者 |
|---|---|---|---|
| 和歌山市〜県社分界点 | 0.8km | 南海電気鉄道(第一種) | 南海電気鉄道 |
| 県社分界点〜和歌山港 | 2.0km | 和歌山県(第三種) | 南海電気鉄道 |
このような形態になった背景には、港湾開発の歴史があります。1971年に和歌山県が線路を整備しました。港湾の貨物輸送やフェリー乗り場の移転が目的でした。しかし木材輸送はトラックへ転換し、貨物列車が走ることはありませんでした。さらに2005年には中間3駅が廃止され、現在の連絡線特化型に至っています。
和歌山港線への特急サザン乗り入れや減便の影響
現在、和歌山港線には難波駅直通の特急サザンや急行が乗り入れています。特に、これらの列車はすべてフェリーの発着時刻に合わせて運行されています。一方で、日中には線内折り返しの普通列車が走るのみです。そのため、接続船がない時間帯には、約3時間にわたり列車が来ない時間帯もあります。
また、南海フェリー側でもすでに減便が始まっています。船員不足などにより、2026年8月1日(土)から便数が減りました。従来の1日8往復から6往復へと減便が実施されています。航路を引き継ぐ事業者が現れない場合、直通特急の見直しは避けられません。なお、和歌山県は新事業者による運航継続に向けた支援を表明しています。物流業界からも防災や産業の観点から存続を求める声が上がっています。



