岐阜羽島駅に線路が6本ある理由
岐阜羽島駅は各駅停車の列車が中心です。しかし、島式ホーム2面と本線・副本線を合わせ計6線もの規模を誇ります。一見すると過剰な設備に思えます。ただし、この広大な配線には冬場の運行を守るための重大な役割がありました。
東海道新幹線は関ケ原の豪雪地帯を通過します。そのため、雪によるダイヤ乱れへの対策が欠かせません。岐阜羽島駅は、大雪の際に列車の折り返し運転を行う拠点として設計されました。さらに、除雪車両や臨時列車を待機・留置させる基地としての機能も持たされています。つまり、安定運行を支える要として線路が6本用意されたのです。
岐阜羽島駅の「政治駅」説の真相
世間では、岐阜羽島駅は大物政治家が強引に誘致した「政治駅」だと語られがちです。実際に、駅前には大野伴睦夫妻の銅像が建っています。しかし、当時の国鉄関係者の証言によると、当初から羽島地区は有力な候補地でした。
新幹線の建設計画では、当初は鈴鹿山脈を抜ける直線ルートが検討されていました。ところが、1964年の東京五輪に間に合わせるため関ケ原経由へ変更されます。その結果、雪害対策用の広大な用地が必要になりました。立ち退きが少なく用地を確保しやすかった場所が、岐阜羽島だったのです。なお、大野氏は岐阜市街への無理な線路誘致を求めた地元を説得した人物でした。駅名に岐阜を併記させる折衷案をまとめ、混乱を収めたのが実情です。
岐阜羽島と岐阜駅を結ぶLRT構想
現在、岐阜羽島駅と県都の岐阜市街を結ぶ新交通システムの導入が検討されています。具体的には、次世代型路面電車のLRTが有力視されています。現状では名鉄の新羽島駅が隣接していますが、岐阜駅へ直通する列車は多くありません。そのため、笠松駅などで乗り換えが必要になるケースが目立ちます。
そこで、岐阜羽島駅から県庁を経由し岐阜駅を結ぶ約20kmのルート案が浮上しました。また、羽島周辺に宿泊する訪日客が市街地を素通りする課題もあります。特にインバウンドの誘客や、県内の移動利便性を向上させる狙いがあります。
| 検討項目 | 概要 |
|---|---|
| 想定区間 | 岐阜羽島駅 〜 岐阜県庁 〜 岐阜駅(約20km) |
| 有力システム | LRT(次世代型路面電車) |
| 主な目的 | 市街地へのインバウンド誘客・地域内アクセス改善 |
岐阜羽島発の新交通に向けた歩み
岐阜県では、岐阜羽島駅を起点とする新交通の検討を着実に進めています。まず、2025年に岐阜県知事が構想を表明し、調査検討費が予算化されました。次に、2026年3月に学識経験者らによる検討会が発足しています。
さらに、2026年8月には幹線軸候補などを盛り込んだ中間報告が公表されました。現在は作業部会にて、ルート選定や採算性の詳細な精査が行われています。なお、岐阜市内では2005年に路面電車が全廃された経緯があります。このように歴史を持つ地域で、岐阜羽島駅と岐阜駅をつなぐ新路線の行方が注目されます。






