黄色線区に指定された対象の8区間
黄色線区とは、1日の輸送密度が200人以上2,000人未満の区間を指します。対象は合計8区間で、総延長は約900kmに及びます。
具体的には、以下の8区間が議論の対象です。
- 宗谷線(名寄〜稚内)
- 石北線(新旭川〜網走)
- 釧網線(東釧路〜網走)
- 根室線/花咲線(釧路〜根室)
- 富良野線(富良野〜旭川)
- 根室線(滝川〜富良野)
- 室蘭線(沼ノ端〜岩見沢)
- 日高線(苫小牧〜鵡川)
また、これら8区間の赤字額は、2025年度で合計約156億円に達しています。特に初日に協議された室蘭線の沼ノ端〜岩見沢間は、11億円超の赤字です。加えて、日高線の苫小牧〜鵡川間も3億円以上の赤字を計上しています。
黄色線区の上下分離方式が撤回された理由
JR北海道は2026年4月15日(水)に、上下分離方式の導入を提案しました。つまり、運行をJRが担当し、線路設備の管理を自治体が担う仕組みです。
しかし、多額の負担を懸念した沿線自治体から強い反発を受けました。そのため、信頼関係が揺らぎ協議は停滞してしまいます。そこで、事態を重く見たJR北海道は、2026年9月16日(水)に正式謝罪しました。同時に、反発を招いた上下分離方式の提案を撤回しています。
このように、黄色線区の協議は自治体との溝を埋める形で仕切り直されました。
黄色線区の協議スケジュールと今後の論点
国交省北海道運輸局と道は、2026年10月9日(金)に新協議会を設置しました。なお、新たな場では、上下分離方式を議論の前提から外しています。
まず2026年10月26日(月)に、室蘭線と日高線の部会が始まりました。次に、他の6区間についても、地域ごとに順次議論が進められる見通しです。一方で、取りまとめの期限は、国の監督命令に基づき2027年3月末とされました。
主な論点は、利用促進策や除雪などの担い手確保、JRの収益力強化などです。さらに、国や自治体による支援のあり方も焦点となります。果たして、黄色線区の鉄路をいかに守るか、実効性のある具体策が問われています。
あいえすの見解
黄色線区には素晴らしい車窓が数多くあります。宗谷本線の天塩川沿いや、根室本線の湿原と牧草地はその代表です。そのため、観光列車や臨時列車の運行が有効な手段になります。また、貨物列車の復活も検討すべき選択肢です。昨今はトラックや観光バスのドライバー不足が深刻化しています。それだけに、今ある鉄路をなぜ活用しないのか疑問です。
一方で、インフラ維持のあり方には根本的な課題もあります。道路や空港は国や自治体が公費で整備しています。その都度、個人に使用料を求めたりはしません。しかし、鉄道だけが個人からの運賃で線路や施設を維持する仕組みです。そのため、個別協議ではこの根本的な問題をしっかり議論してほしいものです。








