平成筑豊鉄道と崎山八幡神社の珍百景
福岡県みやこ町にある崎山八幡神社は、室町時代から続く歴史ある神社です。実際に、一の鳥居をくぐると、目の前には砂利と枕木とレールが広がっています。二の鳥居へ向かう参道を、現役の線路が真っ直ぐ横切る珍しい構造です。
しかも踏切の警報機や遮断機は置かれていません。さらに足元の渡り板もないため、参拝者は線路をそのまま跨いで境内へ進みます。石段を登った先には、全国的にも珍しい逆立ち姿の狛犬が鎮座しています。このように、平成筑豊鉄道田川線の中でも屈指のユニークな名所として親しまれてきました。
平成筑豊鉄道の路線バス転換が決まった背景
なぜこの風景が失われようとしているのでしょうか。その理由は、沿線の人口減少やマイカー普及による利用客の落ち込みです。特に、ピーク時に比べると、利用者は約3分の1まで減ってしまいました。また、老朽化した車両や施設の更新費用も重なり、赤字の拡大が懸念されていました。
そこで福岡県や沿線自治体は協議会を立ち上げ、3つの案を比較検討しました。鉄道維持やBRTも候補に挙がりましたが、財政負担が軽い路線バスが選ばれました。こうして2026年3月25日(水)に、平成筑豊鉄道全線のバス転換が決まりました。
平成筑豊鉄道の廃止時期と今後の見通し
気になる運行終了の時期ですが、現時点では確定していません。まず、県側からは当初、2028年度末での廃止案が示されました。しかし全国的なバス運転士不足を心配する声が相次ぎました。加えて、代替交通の準備期間が足りないという意見も出ています。
そのため、廃止目標の時期はいったん白紙となり再検討が進められています。ただし平成筑豊鉄道の鉄路がいずれ消える方向性に変わりはありません。残された時間は長くなく、貴重な日常風景を目に焼き付けておきたいところです。
崎山八幡神社へのアクセスと運行本数
現地を訪れるなら、平成筑豊鉄道田川線の崎山駅が最寄りとなります。具体的には、駅からは南西方向へ歩いて約10分、およそ500メートルの距離です。
普通列車の本数はおおむね1時間に1本程度です。また、車両は400形気動車などの1両編成が使われています。なお観光列車の「ことこと列車」は、この地点を通過する際に減速運転を行います。そのため、車窓から鳥居を眺める体験も今だけの特別な楽しみになります。
- 所在地:福岡県京都郡みやこ町犀川崎山中尾
- 最寄り駅:平成筑豊鉄道田川線 崎山駅(徒歩約10分)
- 運行本数:田川線普通列車は毎時1本程度



