
JR各社の赤字ローカル線の存廃問題が全国で議論される中、JR西日本の芸備線(備後庄原~備中神代間)は特に注目されています。同区間の利用者数は1987年の約1割まで減少し、2024年から全国初となる再構築協議会で存続策が検討されています。
芸備線は利用者が極めて少なく、保守費用の不足から徐行運転や運休も多い状況です。一方で、備後落合駅では観光客や乗換客による一定の利用が見られます。
しかし、沿線住民の日常利用は少なく、高校生の移動も鉄道よりバスが選ばれる傾向があります。実際に、地域のバス会社である備北交通は通学定期の値下げや利便性向上に取り組み、利用者を増やしています。
再構築協議会では観光客誘致や増便などの実証実験も行われましたが、多額の費用に対して経済効果は限定的でした。また、鉄道の安全対策や増便にはさらに大規模な投資が必要とされています。
2026年度からは鉄道とバスの利便性を比較する実証実験も始まり、新見市周辺ではバス輸送でも需要を十分に賄えることが示されています。一方で、広島県と岡山県では今後の方針について温度差が見られます。
筆者は、利用者が大幅に減少した現実を踏まえ、単にJRに存続を求めるだけでは問題は解決しないと指摘しています。特に利用者が比較的多い広島~備後庄原間については、地域づくりと連携しながら活用策を考える必要があるとしています。
また、自治体や国が責任を先送りせず、地域公共交通の将来像を主体的に検討することが重要です。










