芸備線バス転換でJR西日本が示す負担内容
JR西日本広島支社は2026年10月29日(木)に定例会見を行いました。
対象区間は芸備線の備後庄原駅から備中神代駅までの約68.5kmです。
会見で支社長は、仮にバス転換となった場合の支援方針を明らかにしました。
具体的には、バス車両の購入費や停留所整備などの初期費用を全額負担します。
さらに運行開始後についても、計算上の赤字額を一定期間負担する姿勢を示しました。
ただし赤字補填の年数など詳細な枠組みは明言を避けています。
加えて、同社は2026年11月の協議会でより詳しい支援策を示す方針です。
協議会で示された芸備線の試算比較
存廃議論の背景には、協議会幹事会で公表された最新の試算データがあります。
特に、実証事業をもとにした各モードにおける恒久化の収支効果が比較されました。
まずバス事業を恒久化した場合、年間の費用は約2億800万円です。
これに対する経済波及効果は約2億3500万円と試算されました。
一方で鉄道を増便して維持する場合、年間の費用は約8億4500万円に達します。
この場合の経済効果は約4億1200万円にとどまりました。
つまりバス転換のほうが費用対効果が高いという試算が示された形です。
| 項目 | 代替バスの恒久化 | 鉄道維持(増便等) |
|---|---|---|
| 年間コスト | 約2億800万円 | 約8億4,500万円 |
| 経済波及効果 | 約2億3,500万円 | 約4億1,200万円 |
| 費用対効果 | 効果がコストを上回る | 効果はコストの半分程度 |
芸備線再構築協議会の背景と存続の条件
芸備線の対象区間は、全国初の国主導による再構築協議会として議論されてきました。
2024年1月に中国運輸局が協議会を設置し、同年3月から検討が続いています。
沿線は極めて利用者が少なく、100円稼ぐのに数万円かかる状況でした。
そのため観光列車の運転や実証バス運行など、様々な利用促進策が試されてきました。
なおJR西日本は鉄道存続の場合の運営方針も過去に示しています。
仮に鉄道を残す場合、自社単独での運営は想定していません。
例えば、自治体が施設を保有する上下分離方式や、第三セクターへの移行を前提としています。
芸備線の今後と最終決定のスケジュール
今後の議論は、いよいよ最終結論へ向けた段階へ入ります。
まず2026年11月下旬に、中国運輸局が再構築方針の骨子案を提示します。
この骨子案では、鉄道かバスのどちらか単一のモードが示される見込みです。
その後、沿線自治体などとの協議を経て2027年3月末までに芸備線の最終方針が決まります。
一方で利用者団体である「芸備線を楽しむ会」も活動を続けています。
実際に、同会は2026年10月29日(木)に中国運輸局へ署名を提出しました。
JR西日本の直営による鉄道存続を求め、2254人分の署名が集まっています。
このように地域の声を反映させながら、難しい判断が下されることになります。







